解決事例

事例02長年DVに苦しめられてきた妻が夫から逃げて別居した後、夫が個人事業を開業して夫名義の預貯金の一部を費消していることが発覚したため、早期に調停離婚を成立させて財産分与を取得した事例

ご相談内容

ご相談内容

依頼主
Bさん(60代・女性)

福岡県在住のBさんは、夫から度重なる肉体的・精神的DVを受けていたとして、夫との離婚を希望して当事務所にご相談されました。
Bさんの夫は、昔からBさんを侮辱するような発言を繰り返し、気にくわないことがあると部屋をめちゃくちゃにする行動を度々行っていましたが、Bさんは、子どものことを考えてこれを我慢していました。
しかし、今回、その我慢も限界に達し、既に成人されている息子と共に自宅を出ましたが、実家に身を寄せることもできず、息子と2人でホテルに泊まりながら新たな新居を探している状態でした。

弁護士の活動

弁護士の活動

当事務所は、早急に夫に対して書面を送付してBさんとの離婚、財産分与、慰謝料及び婚姻費用の請求を行いましたが、夫がこれに応じなかったことから、婚姻費用分担調停、離婚調停を申し立てました。
なお、調停の申立てにあたっては、Bさんの新住所を非開示とするよう裁判所に申し出を行い、それ以外でも相手方に情報が知られないように注意して手続を進めました。

解決結果

解決結果

夫は、離婚調停において、Bさんに対するDVを否認して慰謝料の請求を争ってきました。
また、上記調停において、夫は、それまで勤めていた勤務先を退職して収入の不安定な自営業(食品の移動販売業)を開業し、開業にあたって自己の預貯金を費消している旨述べました。
そこで、当事務所は、Bさんと相談の上、DVの有無を争って事件が長引くよりも(離婚慰謝料の請求を離婚調停内で行うよりも)、早期に夫と離婚して、夫名義の財産減少を停止させて財産分与を行うほうが得策であると考え、調停離婚を成立させました。

弁護士のコメント

弁護士のコメント

本件は、長年DVに苦しめられてきた妻が夫から逃げる形で別居した後、夫が個人事業を開業して自己の預貯金を費消していることが発覚したといった事例でした。なお、夫の個人事業も赤字が続いているという状況でした。
そのため、夫との離婚が長引けば、慰謝料・財産分与等を夫から回収できなくなるリスクが高くなるといった事情がありました。
今回のケースのように、配偶者から継続的なDVを受けているにもかかわらず、「自分が我慢すれば」と考えて離婚に踏み切れない方も多くいらっしゃいます。
その場合、いち早く弁護士や行政に相談して、どうするのが最良かを考えて解決への道筋を探ってみることが大切です。

文責:弁護士 松田 孝太朗

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