事例27離婚慰謝料と財産分与を合わせて1000万円を超える妻からの請求に対し、交渉で早期(約1か月)に大幅な減額(約4分の1)を実現して円満に協議離婚を成立させた事例
- 担当弁護士永野 賢二
- 事務所久留米事務所
ご相談内容
依頼主
Bさん(40代・男性)
福岡県在住のBさんは、妻(Aさん)との折り合いが悪く、当事者間で離婚協議を行うことになりましたが、離婚すること・子どもらの親権をAさんが持つことについては特に争いはありませんでした。
もっとも、Bさんは、Aさんから財産分与として約1000万円の解約返戻金のある子どもらの学資保険の名義変更、Aさんが使用している車の名義変更を請求されており、Aさんの請求に応じなければならないのか不安になり、当事務所に相談に来られました。
なお、Aさんは、Bさんが当事務所に相談に来所された数週間後には、Aさんが既に購入した新たな自宅に子どもらを連れて転居する予定でした。
弁護士の活動
まず、当事務所は、早急にBさん名義の財産を調査して財産一覧表を作成しました。
また、当事務所は、Aさんに受任通知を送付してAさん名義の財産開示を依頼し、離婚条件についての協議を開始しました。
この点、養育費については、Aさんの請求額と双方の収入状況から計算した養育費の金額がほぼ同様でしたので、Aさんの請求額に応じることになりました。
もっとも、Aさんは、当事務所に対し、Bさんに対する離婚慰謝料(暴行行為)として200万円、財産分与として約1000万円の解約返戻金のある子どもらの学資保険の名義変更、Aさんが使用している車の名義変更を請求されました(当事者間の協議では請求していなかった離婚慰謝料を追加されました。)。
これに対し、当事務所は、双方の特有財産を除く財産状況から、BさんのAさんへの分与額を約200万円と積算しました。
また、当事務所は、Bさんに対し、暴行の態様や経緯について詳細に聞き取りを行った後、Aさんに対し、Bさんの暴行が軽微であること、暴行が1回限りに過ぎないこと、喧嘩に至った経緯がAさんの嫌がらせ行為に起因していること等から、離婚慰謝料の支払義務がない旨主張しました。
さらに、当事務所は、Aさんに対し、Bさんの了解のもと、早期解決の観点から、上記分与額に約100万円を上乗せした300万円を解決金として支払う旨の和解案を提示しました。
解決結果
その結果、Aさんは、当事務所の提案を受け入れるに至り、早期に(Bさんが相談に来所されて約1か月)離婚協議をまとめることができました。
なお、実際は、その後、Bさんがさらに離婚条件にについて進んで譲歩した結果、300万円の金銭給付ではなく、解約返戻金が340万円程度の学資保険をAさんに名義変更する形で財産分与を実現させました。
弁護士のコメント
離婚にあたっては、子どもの親権・養育費・子どもとの面会交流・財産分与・離婚慰謝料・年金分割など、相手方と協議すべき事項が複数存在し、特に夫婦関係がこじれている場合には協議が上手く進まないことが多いです。
また、当事者間の協議では、財産分与額の積算・養育費の算出・慰謝料の支払義務の成否などで法的な検討を行わずにお互いに言いたいことを言い合うだけで、話し合いが前に進まないこともあります。
そのため、特に財産分与の積算を行う場合などには、弁護士に離婚事件を依頼することで法的な問題点を整理することができ、今回のケースのように早期解決につながることもあります。
離婚問題でお悩みの方は、一人で悩まずに離婚・男女問題に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。
文責:弁護士 永野 賢二