1.費用を抑えるポイント
弁護士費用は、離婚問題の争点や依頼するタイミング、法律事務所によっても異なります。 できるだけ弁護士費用の支払い金額を抑えるための方法をご紹介します。
当人同士で話し合いをする
当人同士での話し合いだけで離婚を合意できれば、費用はかかりません。
しかし、財産分与や養育費など金銭が絡む問題もあるので、相手とどういう交渉をすべきかを事前に弁護士に相談しながら、当人同士で話し合いをすることをおすすめいたします。
また、調停や裁判に進むと、時間も労力もかかって、弁護士費用も高額になります。
早い段階で弁護士に相談することで、問題が解決しやすくなり、結果的に弁護士費用を抑えることができます。
相手との話し合いが揉めて長期化しそうな場合は、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
無料相談を利用する
「初回無料相談」という法律事務所に相談すれば、費用を抑えることができます。無料相談を利用したからといっても、必ずその法律事務所に依頼しなければならないわけではないのでご安心ください。自分に合った弁護士を選ぶこともできるので、気軽に相談してみるといいでしょう。
当事務所でも、初回は無料でご相談いただけるので、ぜひご利用ください。
また、夜間・休日の相談も可能です。
複数の事務所からの見積りで比較する
法律事務所から提示された弁護士費用が、妥当な金額なのかどうかを一般の方が判断するのは難しいと思います。複数の法律事務所の無料相談などを利用して、見積りをもらって比較し検討できれば、費用の相場をつかむことができます。相場がわかれば、納得できる金額の法律事務所に安心して依頼することができるでしょう。
当事務所の弁護士費用について詳しくはこちら。
法テラスの立替え制度を利用する
法テラス(日本司法支援センター)とは、法的トラブルを解決するために、情報やサービスを提供している公共機関です。経済的に困窮している方でも弁護士に依頼できるよう、弁護士費用の立替えサービスを行っています。
この制度を利用するには、収入と資産が資力基準以下であることなどの条件を満たす必要があります。審査で認められた場合には、着手金、成功報酬金などを法テラスが立て替えてくれます。
ただし、立て替えてもらった金額は、毎月分割で返済する必要があります。
2.弁護士に依頼した方が良いケース
当事者同士での話し合いでは解決できない場合や、財産分与や養育費が絡んでいるケースなどは、弁護士への依頼を検討することをおすすめいたします。交渉の進め方についての相談もできるので、初回相談だけでもぜひご利用ください。
では、弁護士に依頼した方が良いケースをご紹介します。
財産分与で揉めている
離婚の際、多くの場合に問題となるのが、財産分与です。法的知識がないまま同意してしまうと、「本来受け取れるはずの金額をもらえなかった」など、取り返しのつかない失敗をしてしまうことがあります。
弁護士に依頼すると、財産分与の対象となる共有財産を正確に把握し、相手方の不当な財産隠しについても調査を行うことができます。
また、双方が合意できたら、その内容を公正証書にしておくと、後で強制執行をかけることもできます。弁護士は公正証書の作成をサポートし、ご依頼者様に不利な条件とならないよう、厳しくチェックします。
養育費の内容を書面にしたい
養育費の支払いがない場合、たとえ裁判をしても費用がかかり、滞納した分をすぐには請求できません。
養育費は書面がないと請求できないので、取り決めた合意内容を公正証書で作成しておきます。
公正証書を作成しておくことで、もし相手が支払わない場合には、相手の財産を差し押さえることができます。
弁護士には、公正証書作成の手続きを一括して任せられます。弁護士が代理で公証役場に行くことで、相手と顔を合わせる精神的負担も軽減されます。
忙しいので、手続きを行う時間がない
離婚をする際は、さまざまな手続きを行う必要があり、役所はもちろん、場合によっては裁判所にも行かなければなりません。
「平日は仕事を休めない」「子どもが小さい」「体調が悪い」などの理由で、行くのが難しい方も少なくないでしょう。
弁護士に手続きなども含めて依頼すれば、調停の申立てなども代理人として行います。
相手のDVやストーカー化が怖い
DVがひどくて離婚したいケースや、離婚を撤回させようと執拗に迫ってくる相手とは、一人では対応できません。
弁護士に依頼することで、相手への対応の窓口になります。あなたの居場所を相手に伝えることもないので、安心して離婚の準備を進めることができます。
自分一人での交渉が不安
離婚を有利に進めるカギは、相手との交渉にありますが、論理的に話すのが苦手だったり、精神的にダメージを受けていて、冷静に話すのが難しいケースもあると思います。
弁護士は法律の専門家であることはもちろん、交渉についてもプロです。
あなたの主張を明確に相手に伝えて説得し、有利な条件で進めるので、交渉でも大きな戦力になるでしょう。
3.弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼しなくても、当事者同士の話し合いだけで離婚することはできます。
しかし、揉めてしまい調停や裁判になって、弁護士に依頼する必要に迫られるケースや、依頼した方が良い結果を得られたであろうというケースも少なくありません。
では、弁護士に依頼するメリットをご説明しましょう。
労力や時間を軽減できる
離婚を進めるときは、相手と何度も交渉しなければなりません。
また、調停や訴訟になった場合は、申立書や訴状を作成したり、証拠を集めて裁判所に提出するなど、大変な手間と時間がかかります。仕事をしている方やお子さんがいる方は、時間をつくることも難しいでしょう。
弁護士に依頼すると、書類作成や裁判所での手続きなどを任せたり、裁判所にも本人の代わりに出頭してもらうことができます。労力や時間を大きく削減できるので、普段の生活や仕事に専念することが可能になります。
相手との交渉を任せることができる
相手が離婚を拒否し、話し合いがスムーズに進まないケースがあります。
弁護士が代理人になると、相手も真剣に向き合うようになり、話し合いに応じる可能性が高くなります。また、DVなどを受けて、直接相手と話し合いができない場合にも、弁護士が代わりに交渉することができます。
財産分与や慰謝料、親権などの条件で合意できないケースも、弁護士に依頼することをおすすめいたします。多くの慰謝料を獲得できたり、親権を得られるなど、より良い条件で離婚できるよう、サポートしてくれます。
また、調停や訴訟など裁判所での手続きの代理権は、弁護士にしかありません。司法書士や行政書士には代理権がないので、弁護士に依頼する大きなメリットとなるでしょう。
精神的負担を軽減できる
当人同士で話し合いを進める場合、お互いが感情的になり、精神的にも大きな負担となります。
とくに、配偶者に不倫された場合には、うつ状態になったり、DVの被害者の場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になるケースもあります。
このように離婚の話し合いを進めることも難しい精神状態になっていたら、お一人で悩まずに弁護士にご依頼ください。
顔を合わせて話し合いをするのが苦痛な場合や、体調不良で話し合いの場に行けない場合でも、弁護士が代理人として相手と交渉をすることで、精神的な負担を軽減することができます。
離婚を有利に進めるためのアドバイスを受けられる
離婚を進める際は、何をしたらよいのか、相手から提示された条件が妥当なのか、不安に感じることもあるでしょう。
そのようなときは、弁護士にご相談ください。離婚を有利に進めるためのアドバイスを受けることができるので、不安感が払拭されます。
養育費や慰謝料、婚姻費用の金額や、親権を得るための方法、不倫をしている証拠の集め方など、法的な知識をもとに、状況に応じて適切なアドバイスをいたします。
4.弁護士に依頼した場合の費用と相場
離婚の案件を弁護士に依頼すると、相談料・着手金・成功報酬・日当・実費がかかります。
弁護士費用は、弁護士がどこまで対応するのかという契約内容によっても違い、また弁護士事務所や弁護士ごとに異なります。
では、離婚に関する弁護士費用の相場をご説明します。
相談料とは
弁護士に相談するときは、基本的に相談料という料金がかかります。
相談料の相場は、1時間あたり1万円程度が一般的ですが、初回相談に限り、1時間まで無料としている弁護士事務所もあります。
弁護士法人 松本・永野法律事務所では、離婚・男女問題に関するご相談は、初回無料にて承っております。弁護士が直接ご相談に対応させていただいておりますので、ぜひご利用ください。
着手金とは
着手金とは、弁護士に依頼することになったときに発生する費用のことをいいます。
弁護士は着手金が支払われた後、依頼された事件に着手します。相場は20万~50万円で、依頼された問題の内容によって費用は異なります。
また、交渉の段階で依頼して、その後に調停や裁判に進んだ場合や、調停の段階で依頼して、その後に裁判に進んだ場合は、別途着手金の支払いが必要になります。その際の着手金の相場は、20万~40万円です。
なお、一度支払った着手金は、たとえ事件処理の結果に不満があっても、依頼者が弁護士を解任しても、原則として返金されないのでご注意ください。
成功報酬とは
成功報酬とは、事件終了時点で弁護士に支払う費用のことをいいます。
下記のように、依頼内容によって金額が異なります。
基礎報酬
事件を終了させたことに対する報酬です。いかなる結果でも支払うことになり、20万~30万円が相場です。離婚成立・離婚阻止についての報酬
離婚成立の際の成功報酬は、基本報酬に含めている事務所もあります。成功報酬を設けている事務所の相場は、10万~20万円程度です。親権の獲得・その阻止についての報酬
基本報酬に含めている事務所もありますが、成功報酬を設けている事務所の相場は、10万~20万円程度です。経済的利益に対する報酬
財産分与・慰謝料・養育費・年金分割を得られた(または得られることを阻止した)場合の報酬のことをいいます。財産分与や慰謝料に対する報酬は、得られた金額の10%程度が相場です。養育費や年金分割については、1~2年分の10%が相場です。日当、交通費および実費について
長距離の移動が発生した場合の日当、交通費や相手方へ郵便物を送付した場合の切手代など、実費の支払いが必要になる場合があります。日当の相場は、半日で3万円程度、1日で5万円程度です。 契約をする際は、支払いの有無を確認するようにしてください。
5.まとめ
離婚問題を弁護士に相談したいと思っても、弁護士費用がいくらかかるか心配で、依頼するのを迷っている方も多いのではないでしょうか。弁護士に依頼しなくても、当事者同士の話し合いだけで離婚することはできますが、弁護士に相談しながら交渉することで、有利な条件で手続きを進めることができる可能性が高まります。
今回は、弁護士費用を抑えるための方法や、弁護士に依頼した場合のメリット、依頼した場合の費用の相場などをご紹介しました。当事者同士での話し合いでは解決できない場合や、財産分与や養育費が絡んでいるケースなどは、弁護士への依頼を検討することを考えてみてはいかがでしょうか。
弁護士法人松本・永野法律事務所では、経験豊富な弁護士が丁寧にアドバイスし、高い評価を得ていますので、安心してご相談ください。 当事務所の解決事例やお客様の声についてもご参考ください。